Zoomでオンライン授業を受ける前に確認しておきたい4項目

2020年5月1日

多くの地域の学校で休校が続く中、一気に注目されているのがオンライン授業です。すでに体制を整えていた学校では、休校を機にオンライン授業に移行。また塾でも動画配信やオンライン授業に切り替えたところも多くなりました。しかし中には、オンライン授業は初めてで、「このアプリを準備してください」という突然の通知や、きょうだいがいるのに「パソコンが家に一台しかない」や「ネット環境がない」など、準備に困ったというご家庭もいるのではないでしょうか。
そこで、オンライン授業を受けるにあたって、あらかじめ知っておきたいIT知識を数回にわたって解説していきます。今回はオンライン授業でよく使われるビデオ会議システム「Zoom」について、またオンライン授業や学習支援動画を見るときに確認すべきチェックリストを紹介します。

オンライン授業には「映像配信タイプ」「ビデオ会議タイプ」の2種類

一口にオンライン授業といっても、今は大きく2つの種類があります。

映像配信タイプ

あらかじめ収録された授業動画を見て学ぶものです。
わからなかったところを繰り返し視聴して確認したり、復習に活用したりすることができます。

一部の学校ではYouTubeを利用した授業動画を制作し、生徒限定で閲覧できるようにしています。こちらのタイプだと自分のタイミングで動画を見たりできます!

ビデオ会議タイプ

双方向ライブ授業や、インタラクティブ(対話型)授業という場合もあります。リアルタイムの映像と音声で対面授業のようなやりとりが可能です。ビデオ会議タイプの場合はクラスメイトともオンライン上で一緒に授業を受けるということができ、先生への質問もその場で可能です。

※前述したYouTubeにもライブ配信(生配信)機能があり、これを活用した公開講座を開催している塾もありますが、質問などはYouTubeに備わっているチャット機能でのやり取りに限られます。

3月の臨時休校が始まってすぐの頃、進学塾の多くは映像配信タイプでの授業を行ってきましたが、最近ではビデオ会議タイプの授業を行うところも増えてきました。

オンライン授業でよく使われる「Zoom」とは?

オンライン授業を行う学校や塾では「Zoom」(ズーム)というオンライン会議システムを導入しているところもあります。学校や塾からの案内で、初めてZoomという名前を知った方も多いでしょう。

ZoomはアメリカのZoom Video Communicationsが開発したビデオ会議サービスで、大人数で接続していても比較的安定した通信が確保できることや、ビデオ会議の映像と音声を録画できる機能もついているという便利さが支持され、主にビジネスの場で使われることが多いシステムでした。日本でも、3月の臨時休校開始以降、教育機関への無料提供(4月30日までの期限付き)が始まったことを機に、一気に採用するところが増えてきたようです。

多くのパソコン、スマホデバイスで利用可能

Zoomはパソコンだけではなく、スマホやタブレットなどさまざまなデバイスでの利用が可能です。利用する場合は「ZOOM Cloud Meetings」専用のアプリを、使う機種に合わせてインストールします。

Zoomについては、急激に利用者が増えたことから、セキュリティ面での問題があるという報道もありました。しかし、問題が報告された機能に対しては順次修正対応を行っているとのことです。不安を感じる方は、アプリを常に最新バージョンにアップロードしておくことをお勧めします。

映像だと部屋が丸見え!そんなときはバーチャル背景を設定

こうした映像でのやりとりだと、相手に自分の部屋の様子などが見られてしまい、気になるという方も多いでしょう。Zoomでは好みの背景を設定することで、部屋の中を隠すことができます。海外の学校では背景を思い思いに変えて楽しむ子どもたちも多いうなのでオンラインセミナーにはズームはうってつけですね。

手持ちの写真を使用することもできますし、背景用画像を提供しているサイトも多いので活用してみてください。ただし、背景と同じ色の服を着てしまうと、背景と同化してしまうこともあるのでお気をつけください笑

ネットで家庭学習支援用動画を見るときに注意すべきこととは

パソコンで勉強する様子

オンライン授業の場合、接続する端末(iPadやGoogleタブレットなど)は学校から支給されているご家庭もあるかもしれませんが、多くはご家庭で用意することと思います。特に塾の場合は家庭での用意が必要です。

その場合、セキュリティの面から、まずは最低限、以下の4点を確認しておきましょう。

チェック1:ご自宅の通信環境を確認する

ご自宅のWi-Fiのセキュリティを確認しておきましょう。パスワードの設定はされているでしょうか? パスワードが設定されているWi-FiかWi-Fi環境があるかのチェックは事前に必要ですね!

チェック2:スマートフォンの通信プランの確認を

動画は通信量が非常にかかります。スマートフォン、セルラーモデルのタブレットをお使いで、家にWi-Fi環境がない場合、もしくはWi-Fiにつながず動画を見ていると、利用している通信プランによっては、あっという間にパケットが足りなくなる場合があります。
そうなると通信速度制限がかかり、通常ならすぐに表示されるウェブサイトもなかなか表示されないということも…

またプランの契約内容によっては超過分を支払わないといけなくなる場合もあり、気にせず動画を見ると高額の通信料金を請求されることもあるので、契約しているプランの内容をよく確認するか一番はWi-Fi環境を作ることがいいよ思われます。

チェック3:使っているパソコンやスマートフォンなどの設定を見直す

・パソコンの場合
普段親御さんが使っているパソコンをお子さまに使わせるという場合、ちょっと目を離すとお子さまが勝手にいろいろなウェブサイトを見ているという場合もあるでしょう。もしかしたら怪しいサイトにアクセスしてしまうということもあるかもしれません。そうならないために、家族でパソコンを共有する場合は、子ども用のアクセスアカウントをつくっておくとよいでしょう。
WindowsとMacではやり方が違うのでまた別の記事で紹介していきますね。

・スマートフォン・タブレット
お子さまが使われているスマートフォン、タブレットでは「あんしんフィルター」や「ペアレンタルコントロール」(iOSのみ)などのフィルタリング機能をお使いかと思います。お子さまがネットにアクセスする時間が長くなることも考え、時間制限など設定している内容を今一度確認しておきましょう。
また「許可されたWebサイトのみ」にアクセスできるような設定にしている場合は、動画配信元のアドレスを許可する必要があるので忘れずに。

チェック4:ご家庭でネットへのアクセスが集中する時間帯を確認

最近ではこんな問題も出てきています。
子どもたちに加え、共働きのご両親も在宅でテレワークとなった場合。家の中で同時に、複数台でネットにアクセスすることで通信環境が混雑。全員がネットにつながりにくくなってしまうという現象です。

ビデオ会議タイプのオンライン授業の場合、生配信ということで、なかなかアクセスができないとなると、実質授業を受けられないということにもなり兼ねません。お子さまがオンライン授業を受ける時間帯なども考慮し、家族間でどの時間帯が一番ネットへのアクセスが集中するかの話し合いも必要かもしれません。

どの時間帯を誰が優先して使うか、家族間であらかじめ決めておきましょう。

オンライン授業は視聴するために、各家庭でパソコンやタブレット、Wi-Fi環境などの設定を行う必要があり、親御さん自身にも基本的なIT知識が必要です。学校によってはZoom以外に、スタディサプリ、Classi(クラッシー)などさまざまなツールを利用しています。お子さまのオンライン授業は親御さんのサポートが必要です。これを機会に、学校ではどんな動画配信授業をするのか、どんなアプリを使っているのかなどに関心を持っていただければと思います。